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誰もに愛されるフランスの焼き菓子マドレーヌ

お菓子作りが初めての方に、お菓子の歴史をお話ししたいと思います。

初回は、わたしも大好きなマドレーヌです!

 マドレーヌは、日本で長く愛され続けているフランスの伝統的な焼き菓子です。

ぷっくりおへそが出た、小さくて可愛らしい姿、そして、レモンが薫るふんわり優しい味が長く愛され続けている理由かもしれません。 

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1.マドレーヌ発祥の地
2.日本にマドレーヌが入ってきたのはいつ?
3.日本とフランスのマドレーヌの味の違い
4.マドレーヌ誕生秘話
  4-1.マドレーヌは実は女性の名前?
  4-2.マドレーヌは神様に捧げるお菓子だった?
5.マドレーヌの作り方の違い
6.マドレーヌの焼き加減ワンポイント
7.まとめ

 

1.マドレーヌ発祥の地

マドレーヌは、フランス・ロレーヌ地方コメルシーで古くから町自慢の味として守られてきた素朴な焼き菓子です。

19世紀半ば、鉄道が開通し、フランスの地方菓子がパリに入ってきました。

こうして、フランスロレーヌ地方のマドレーヌも、パリの貴族や市民の手に入るようになりました。

 

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2.日本にマドレーヌが入ってきたのはいつ?

日本では、昔は10cm位の丸い菊型のものをよく見かけました。

どこか懐かしさを覚えるようなカステラのようなお味ですよね。

日本では、江戸時代~明治時代にかけて伝わりました。

その当時は貝殻の形の型がなかったため、和菓子で使用していた菊の形をもとに作った型に、生地を流し作られていました。昭和初期に、マドレーヌの本来の形である貝殻の型や、レシピが入ってきました。

現在では、最近では、菊型のものを見かけることも少なくなり、ほとんどのパティスリーでは貝殻の形のマドレーヌが売られています。

 

3.日本とフランスのマドレーヌの味の違い

フランスのマドレーヌは、乾燥した気候の為、またふわふわした食感を好まないので、少しかためな重い食感です。

それに対して、カステラ文化が浸透している日本では、柔らかい食感が好む傾向がある為、ふんわりとした優しい食感のマドレーヌを作られるパティスリーが多いです。

 

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4.マドレーヌ誕生秘話

マドレーヌがなぜこのような貝殻の形をしているのか、またなぜマドレーヌという名前が付いたのか…。

マドレーヌ誕生の歴史話には様々な諸説があります。

  4-1.マドレーヌは実は女性の名前?

最も有名なお話では、

18世紀後半、コメルシーを治めていた元ポーランド国王のスタニスラス・レクチンスキー王は美食家で有名で、毎晩宴を催していました。

しかし、ある日、宴の最中にお城の菓子職人が喧嘩をして出て行ってしまいます。

デザートが用意できなくなり、急遽、メイドだった若い女性が台所にある、ありあわせの材料で、祖母がよく作ってくれたお菓子を、ホタテの貝殻に入れて焼いて出したところ、そのお菓子が大好評だったそうです。

このお菓子に魅了されたレクチンスキー王は、ヴェルサイユに住むルイ15世の妃だった愛娘マリー・レクチンスキーに送り届けました。マリーもこのマドレーヌをとても気に入り、このパティシェをヴェルサイユ宮殿に連れていき、瞬く間にパリでも広まったと言われています。

この若いメイドの女性の名前がマドレーヌ・ポルミエだったことから、マドレーヌと命名されたそうです。

しかし、レクチンスキー王が亡くなられた後、マドレーヌはヴェルサイユから姿を消し、マドレーヌのレシピを封印してしまいます。

長年の間秘密にされてきましたが、コメルシーのお菓子屋が高額でレシピを買い取り、「コメルシーのマドレーヌ」と発売し、世界中で有名なお菓子となりました。

現在、コメルシーでは、可愛らしい木箱に入ってコメルシーの名産品として売られています。日本人は、この木箱に入ったマドレーヌが欲しくて、フランスまで買いに行く方も多いです。

 

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4-2.マドレーヌは神様に捧げるお菓子だった?

一番古い説では、

マドレーヌは巡礼と深くかかわりのあったお菓子で、キリスト教の聖地に行くためのお菓子と言われていました。

巡礼地で有名な、フランス・ブルゴーニュ地方にある「サント・マドレーヌ大聖堂」に祀られているマグダラのマリア様が由来という説があります。

日本では、聖マドレーヌ寺院と呼ばれることが多いです。

新約聖書に出てくる「マグダラのマリア」は、フランス語ではマドレーヌを意味します。

また、ホタテ貝は巡礼のシンボルとされていて、「サント・マドレーヌ大聖堂」から、スペインの北西部にあるキリスト教の三大聖地「サンティアゴ・デ・コンポステーラ」へ通じる巡礼の道には、ホタテの貝殻の形をしたレリーフがあちこちに埋められています。

巡礼者は、お守りに、首からホタテの貝殻をぶら下げたり、荷物に提げたりして歩くのだそうです。

このことから、サンティアゴ・デ・コンポステーラ

行く人にお土産としてマドレーヌが売られるようになったと言われています。

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フランスに行かれた際には、貝殻に注目されて旅をされるのも楽しいかもしれませんね。

どの説が本当かはヴェールに包まれたままですが、マドレーヌは女性の名前であり、ふんわりした優しい味や食感も、穏やかで優しい女性をイメージしているように思えます。

お菓子の裏には、それぞれストーリーや歴史があり、とても興味深いものがあります。

知っているだけで、時代の背景を感じながらより美味しくいただけるのではないでしょうか。

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5.マドレーヌの作り方の違い

マドレーヌの配合の基本はパウンドケーキと同じで、卵、砂糖、小麦粉、バターが全て同量です。

また、レモンの皮やレモン汁を加える事が多いです。

泡立てず全材料をぐるぐる混ぜてしっとりさ出す方法や、卵を泡立てて少しふんわりさせて作る方法など色々あります。

どれが正しいではなく、どのような食感に仕上げたいか、パティシェの好みによって作り方は様々です。

焼き立てのマドレーヌは、表面がカリっとしていて、レモンの爽やかな香りがふんわり漂い、ふわふわの食感で手が止まらない美味しさです。

焼きたても、翌日以降も楽しめるマドレーヌ。

翌日以降は、全体がひとつにまとまり、しっとりとした美味しさに変わります。

お日持ちはするお菓子ですが、バターがたっぷり入っているので、長く置いておくとバターが酸化して風味が落ちるので、早めに召し上がられることをオススメします。

 

6.マドレーヌの焼き加減ワンポイント

マドレーヌの可愛らしさのポイントは、ぷくっとしたおへそですよね。

ぷくっと膨らませる為には、オーブンの温度が大切です。

高温で一気に焼くことがヒミツです。

高温で焼くことで、生地の温度がぐつぐつ上がり、中から溢れ出てきます。

これが可愛らしいおへそになるのですね。

私は、貝殻の模様がくっきりと出た、表面をしっかり焼いた黄金色のマドレーヌに惹かれます。

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7.まとめ

マドレーヌは、材料も特別なものではなく、卵、砂糖、小麦粉、バターとどれも身近にある材料で作れます。しかし、シンプルなお菓子ですが、シンプルなゆえに、ごまかしのきかないお菓子でもあります。マーガリンではなく、バターなど美味しい素材を使うことが重要です。

焼き立てのマドレーヌは、表面がカリッとしていて、中はふわふわ。

頬が思わず緩んでしまいそうになるお菓子です。

気取ったお菓子ではなく、どこまでも優しく、温かさを感じるマドレーヌ。

ほっとするような母の味として、これからも伝えていきたい大切なお菓子ですね。

優しい気持ちで、大切な人を想いながら丁寧に作るだけで、ふんわりした美味しいマドレーヌが作れますよ。

天使のような優しいマドレーヌの作り方は、こちらでもご紹介しています。

 

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ameblo.jp

 

参考文献 

・大森由紀子 『フランス菓子図鑑 お菓子の名前と由来』世界文化社

 ・吉田菊次郎『偉人が愛したスイーツ』時事通信社